現成公案 4 正法眼蔵岩波文庫

人、はじめて法をもとむるとき、はるかに法の辺際(へんざい)を離却(りきや)せり。

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。
以下は管理人の解釈である。「人がはじめて仏法を求める時、仏法は遠くに離れらものと思っている。」

法すでにおのれに正伝(しやうでん)するとき、すみやかに本分人(ほんぶんにん)なり

「仏法が自分自身に正しく伝わる時は、法は自分自身の中にあるのである。」

人、舟にのりてゆくに、めをめぐらして岸をみれば、きしのうつるとあやまる。

「人が舟に乗って移動すとき、目で岸だけを追えば、岸が移動していると見間違える。」

目をしたしく舟につくれば、ふねのすゝむをしるがごとく、身心を乱想して万法を辨肯(はんけん)するには、自心自性(じしんじしやう)は常住(じやうぢゆう)なるかとあやまる。

「舟を見ながらおれば、ふねが進んでいるのを判ることが出来るように、妄想のなかで仏法を見極めようとすると、自分自身が心を含め身心が変化しない存在だと見誤まる。

もし行李(あんり)をしたしくして箇裏(こり)に帰(き)すれば万法のわれにあらぬ道理あきらけし。

「もし自分の行動に固執して自己自身にこだわれるようであれば、仏法が自分に現れてこない理由が明らかになるであろう。」

正法眼蔵(1) 道元 著 水野弥穂子 校注  岩波文庫

47 第4章 花にちなんで

47 4. Pupphavaggo Dhammapadapāḷi

Pupphāni heva pacinantaṃ, byāsattamanasaṃ [byāsattamānasaṃ (ka.)] naraṃ;

Suttaṃ gāmaṃ mahoghova, maccu ādāya gacchati.

The Pāḷi Tipiṭaka  https://www.tipitaka.org/

花を摘(つ)むのに夢中になっている人を、死がさらって行くように、眠っている村を、洪水が押し流して行くように、—

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第4章 花にちなんで   47

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。いつかは死んでしまうから無駄だというのではない。残り少ない時間を大切な事の為につかうようにという。

116 第1 蛇の章 7、賤しい人

116 1.Uragavaggo 7. Vasalasuttaṃ

‘‘Kodhano upanāhī ca, pāpamakkhī ca yo naro;

Vipannadiṭṭhi māyāvī, taṃ jaññā vasalo iti.

The Pāḷi Tipiṭaka  https://www.tipitaka.org/

「怒りやすくて恨(うら)みをいだき、邪悪にして、見せかけであざむき、誤(あやま)った見解を奉じ、たくらみのある人、—かれを賤しい人であると知れ。

ブッダのことば 中村元 訳  岩波文庫 第1 蛇の章 6、賤しい人 116

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。中村先生の訳注によると、見せかけであざむきーmakkhīとされます。これは他人を指名した性格とすると相当悪く付き合いにくい人物となります。貪瞋痴の三毒のうち瞋はいかり、痴は愚痴や無知を表すらしいです。気を付けましょう.