183 第14章 ブッダ

183 14. Buddhavaggo Dhammapadapāḷi

Sabbapāpassa akaraṇaṃ, kusalassa upasampadā [kusalassūpasampadā (syā.)];

Sacittapariyodapanaṃ [sacittapariyodāpanaṃ (?)], etaṃ buddhāna sāsanaṃ.

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すべて悪しきことをなさず、善いことを行ない、自己の心を浄めること、—これが諸の仏の教えである。

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第14章 ブッダ 183

中村先生の訳注によると、すべて‥‥浄めること―これを昔から「七仏通誡偈」という。過去七仏がみなこの詩を教えたもいうのである。その漢訳分である「諸悪莫作、衆善奉行、自浄其意、是諸仏教」は東アジア諸国にあまねく知られているとされる。

266 第2 小なる章

269 2. Cūḷavaggo 4. Maṅgalasuttaṃ

‘‘Khantī ca sovacassatā, samaṇānañca dassanaṃ;

Kālena dhammasākacchā, etaṃ maṅgalamuttamaṃ.

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耐え忍ぶこと、ことばのやさしい人、諸々(もろもろ)の〈道の人〉に会うこと、適切な時に理法について教えを聞くこと、—これがこよなき幸せである。

ブッダのことば   中村元  訳   岩波文庫   第2  小なる章      4、こよなき幸せ  266

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。

265 第2 小なる章

268 2. Cūḷavaggo 4. Maṅgalasuttaṃ

‘‘Gāravo ca nivāto ca, santuṭṭhi ca kataññutā;

Kālena dhammassavanaṃ [dhammasavaṇaṃ (katthaci), dhammasavanaṃ (sī. ka.)], etaṃ maṅgalamuttamaṃ.

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尊敬と謙遜(けんそん)と満足と感謝と(適当な)時に教えを聞くこと、—これがこよなき幸せである。

ブッダのことば   中村元  訳   岩波文庫   第2  小なる章      4、こよなき幸せ  265

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。

182 第14章 ブッダ

182 14. Buddhavaggo Dhammapadapāḷi

Kiccho manussapaṭilābho, kicchaṃ maccāna jīvitaṃ;

Kicchaṃ saddhammassavanaṃ, kiccho buddhānamuppādo.

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人間の身を受けることは難しい。死すべき人々に寿命があるのも難しい。正しい教えを聞くのも難しい。もろもろのみ仏の出現したもうことも難しい。

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第14章 ブッダ 182

人身受け難し、いますでに受く。仏法聞き難し、いますでに聞く。
この身今生において度せずんば、さらにいずれの生においてかこの 身を度せん。
大衆もろともに、至心に三宝に帰依したてまつるぺし。

自ら仏に帰依したてまつる。
まさに願わくは衆生とともに、  大道を体解して、無上意を発さん。
自ら法に帰依したてまつる。
まさに願わくは衆生とともに、  深く経蔵に入りて、智慧海のごとくならん。
自ら僧に帰依したてまつる。
まさに願わくは衆生とともに、  大衆を統理して、一切無碍ならん。

無上甚深徴妙の法は、百千万劫にも遭遇うこと難し。
我いま見聞し 受持することを得たり。
願わくは如来の真実義を解したてまつらん。

181 第14章 ブッダ

181 14. Buddhavaggo Dhammapadapāḷi

Ye jhānapasutā dhīrā, nekkhammūpasame ratā;

Devāpi tesaṃ pihayanti, sambuddhānaṃ satīmataṃ.

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正しいさとりを開き、念(おも)いに耽り、瞑想に集中している心ある人々は世間から離れた静けさを楽しむ。神々でさえもかれらを羨む。

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第14章 ブッダ 181

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。

264 第2 小なる章

267 2. Cūḷavaggo 4. Maṅgalasuttaṃ

‘‘Āratī viratī pāpā, majjapānā ca saṃyamo;

Appamādo ca dhammesu, etaṃ maṅgalamuttamaṃ.

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悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと、—これがこよなき幸せである。

ブッダのことば   中村元  訳   岩波文庫   第2  小なる章      4、こよなき幸せ  264

つつしみ―saṃyama.

263 第2 小なる章

266 2. Cūḷavaggo 4. Maṅgalasuttaṃ

‘‘Dānañca dhammacariyā ca, ñātakānañca saṅgaho;

Anavajjāni kammāni, etaṃ maṅgalamuttamaṃ.

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施与(せよ)と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、—これがこよなき幸せである。

ブッダのことば   中村元  訳   岩波文庫   第2  小なる章      4、こよなき幸せ  263

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。これも在家者の幸せである。

180 第14章 ブッダ

180 14. Buddhavaggo Dhammapadapāḷi

Yassa jālinī visattikā, taṇhā natthi kuhiñci netave;

Taṃ buddhamanantagocaraṃ, apadaṃ kena padena nessatha.

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誘(いざ)なうために網のようにからみつき執著をなす妄執は、かれにはどこにも存在しない。ブッダの境地は、広くて涯(はて)しがない。足跡をもたないかれを、いかなる道によって誘(いざな)い得るであろうか?

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第14章 ブッダ 180

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。送り仮名はテキストのままとした。

179 第14章 ブッダ

179 14. Buddhavaggo Dhammapadapāḷi

Yassa jitaṃ nāvajīyati, jitaṃ yassa [jitamassa (sī. syā. pī.), jitaṃ massa (ka.)] no yāti koci loke;

Taṃ buddhamanantagocaraṃ, apadaṃ kena padena nessatha.

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ブッダの勝利は敗れることがない。この世においては何人(なんびと)も、かれの勝利には達しえない。ブッダの境地はひろく涯(はて)しがない。足跡をもたないかれを、いかなる道によって誘(いざな)い得るであろうか?

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第14章 ブッダ 179

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。中村先生の訳注によると、足跡をもたない―apadaṃ.仏の活動は自在無礙であり、凡夫がうかがい知ることができない、との意。後代の禅でも「大用現前して軌則を存ぜず」というとされる。

262 第2 小なる章

265 2. Cūḷavaggo 4. Maṅgalasuttaṃ

‘‘Mātāpitu upaṭṭhānaṃ, puttadārassa saṅgaho;

Anākulā ca kammantā, etaṃ maṅgalamuttamaṃ.

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父母につかえること、妻子を愛し護(まも)ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、—これがこよなき幸せである。

ブッダのことば   中村元  訳   岩波文庫   第2  小なる章      4、こよなき幸せ  262

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。在家者の幸せである。