9 一つずつの詩句の集成 第1章

9. Pilindavacchattheragāthā 1. Paṭhamavaggo
1. Ekakanipāto Theragāthāpāḷi

‘‘Svāgataṃ na durāgataṃ [nāpagataṃ (sī. syā.)], nayidaṃ dumantitaṃ mama;

Saṃvibhattesu dhammesu, yaṃ seṭṭhaṃ tadupāgami’’nti.

Itthaṃ sudaṃ āyasmā pilindavaccho [pilindivaccho (sī.)] thero gāthaṃ abhāsitthāti

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それらは来り、それらは去らなかった。それはわたしにとっては悪しき忠告ではなかった。人人がわかち持(たも)っていることがらのうちで最上のものが、やって来た。

 ピリンダヴァッチャ長老

仏弟子の告白 中村元 訳  岩波文庫  一つずつの詩句の集成 第1章 9 

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。中村先生の訳注によると、それらは来りーsvāgatam.この場合のsvはsoの意であり、古代インド東部語ではse=taṃである。

受けた教えを実行し安楽を得たということだと思われる。安楽を得たものは他人に優しく接することが出来る。

22 第2章 はげみ

22 2. Appamādavaggo Dhammapadapāḷi

Evaṃ [etaṃ (sī. syā. kaṃ. pī.)] visesato ñatvā, appamādamhi paṇḍitā;

Appamāde pamodanti, ariyānaṃ gocare ratā.

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このことをはっきりと知って、つとめはげみを能(よ)く知る人々は、つとめはげみを喜び、聖者たちの境地をたのしむ。

ブッダの真理のことば 感興のことば   中村元 訳   岩波文庫   真理のことば  第2章  はげみ  22

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。生老病死は苦と観るが、それを認識するのは五感である視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚であり、これを五根という。五根から伝わるものを伝達、認識する作用として知覚があり、これを含め六根という。これによって苦や楽や退屈(不苦不楽)が生まれる。人は楽を認識するとそれに執着する。しかし始まったものはいつかは終わり、それは苦となる。

60 第1 蛇の章 3、犀の角

60  1. Uragavaggo 3. Khaggavisāṇasuttaṃ

Puttañca dāraṃ pitarañca mātaraṃ, dhanāni dhaññāni ca bandhavāni [bandhavāni ca (pī.)];

Hitvāna kāmāni yathodhikāni, eko care khaggavisāṇakappo.

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妻子も、父母も、財宝も穀物(こくもつ)も、親族やそのほかあらゆる欲望までも、すべて捨てて、犀の角のようにただ独り歩め。

ブッダのことば 中村元 訳  岩波文庫  第1 蛇の章  3、犀の角  60

テキストの漢字ルビはカッコ書きで表記した。中村先生の訳注によると、59‐60これがまさに出家の生活なのである。ビクたちは遊戯や娯楽から遠ざかる。出家修行者は世俗の享楽をすべて離れるのであった。この態度は、南アジアでは今日に至るまで一貫している。そこでビクは映画を見てもよいかどうか、ということが現在南アジア諸国では問題となっている。一時ビルマでは認めようという動きもあったが、セイロンでは絶対に許されないとされる。

わたしが想像する出家生活と南アジアの出家生活とは、あまりにもその置き所が違い過ぎて比べるべきもないであろう。多くの戒律を厳重に守ることの是非は別にして、同じ信仰の出家者と呼ぶことことも難しい。